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赤ちゃんになった俺を世話するメグミンがやたらと色っぽい件について
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1: 災難の始まり
2: 初めての外出
3: 爆裂魔法への執着
4: 紅魔族の少女
5: 熱
6: 回復と新たな日常
7: 外出の試練
8: 言葉の兆し
9: 薬草採取の決意
10: 下見と月光草
11: 秘密の隠し場所
12: 迷子のカズマ
13: 優しい温もり
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Chapter 6: 回復と新たな日常 朝の光が部屋に差し込んだ。メグミンは目を覚ました。隣にはカズマが眠っていた。穏やかな寝顔だった。 メグミンはカズマの額に手を当てた。熱はなかった。完全に下がっている。 「良かった……」 メグミンは安堵のため息をついた。カズマは大丈夫だ。もう心配ない。 カズマが目を覚ました。メグミンを見上げて、小さく笑った。その笑顔は健康そのものだった。 「お前、もう大丈夫なんだな」 メグミンは呟いた。カズマは手を伸ばしてメグミンの髪を掴んだ。 「痛い」 メグミンは顔をしかめた。だが、嬉しかった。カズマが元気になった証拠だ。 メグミンはカズマを抱き上げた。軽い。相変わらず赤ん坊の身体だ。だが、昨日までの弱々しさはなかった。 「今日はウィズの店に行く。お前の容態を報告しなければならない」 メグミンは宣言した。カズマは何も言わなかった。当然だ。赤ん坊だから。 メグミンはカズマの世話をした。おむつを替えて、ミルクを飲ませた。カズマは素直に飲んだ。昨日までとは大違いだった。 「やはり、体調が悪かったんだな」 メグミンは納得した。カズマは満足そうな顔をしていた。 *** ウィズの魔道具店は静かだった。メグミンはドアを開けた。カズマを抱いている。 「おはようございます、メグミンさん」 ウィズが笑顔で迎えた。メグミンは頷いた。 「おはよう、ウィズ」 「カズマさんの容態はいかがですか?」 ウィズは心配そうに尋ねた。メグミンはカズマを見せた。 「熱は下がった。もう大丈夫だ」 「それは良かったです!」 ウィズは安堵の表情を浮かべた。カズマに近づいて、額に手を当てた。 「本当ですね。もう熱はありません」 「副作用は完全に収まったのか?」 メグミンは尋ねた。ウィズは頷いた。 「はい。もう心配ありません。あとは時間が経てば、元の姿に戻ります」 「それはいつだ?」 「あと数日です。早ければ三日、遅くとも五日で」 ウィズは説明した。メグミンは計算した。もう四日が経過している。あと三日から五日。一週間という予定通りだ。 「わかった。ありがとう」 メグミンは礼を言った。ウィズは優しく微笑んだ。 「いえいえ。それより、メグミンさん、大変でしたね。一人で看病なさって」 「別に大変ではなかった」 メグミンは強がった。ウィズは困ったように笑った。 「無理をなさらないでくださいね。あと数日です。頑張ってください」 「ああ」 メグミンは頷いた。カズマはウィズを見上げていた。ウィズは優しくカズマの頭を撫でた。 「カズマさん、もうすぐ元に戻りますよ」 カズマは何も言わなかった。ただ、ウィズを見つめていた。 メグミンは店を出た。朝の街は静かだった。宿への帰り道、メグミンはカズマを見下ろした。 「あと数日で元に戻る。そうしたら、この奇妙な生活も終わりだ」 メグミンは呟いた。カズマはメグミンを見上げていた。 「お前は元に戻ったら、この一週間のことを覚えているのか?」 メグミンは尋ねた。カズマは答えなかった。赤ん坊だから答えられない。 「まあ、いい。お前が元に戻れば、全て元通りだ」 メグミンは言った。だが、心の奥で何か引っかかるものがあった。元通り。本当にそれでいいのか。 メグミンは首を振った。余計なことを考えるな。カズマは仲間だ。大切な仲間だ。それ以上でも、それ以下でもない。 *** 部屋に戻ると、メグミンはカズマをベッドに寝かせた。カズマは元気そうだった。手足をバタバタと動かしている。 「お前、随分と元気になったな」 メグミンは呟いた。カズマは笑った。 メグミンは部屋の片付けをした。この数日間、カズマの看病で部屋が散らかっていた。ミルクの瓶や、使ったおむつや、濡れた布が散乱している。 メグミンは一つ一つ片付けた。カズマはベッドの上で大人しくしていた。 「お前が大人しくしていてくれると助かる」 メグミンは言った。カズマは何も言わなかった。 メグミンは部屋を見回した。だいぶ片付いた。あとは床を掃除するだけだ。 メグミンは雑巾を手に取った。床を拭き始める。 その時、背後で音がした。 メグミンは振り返った。 カズマがいなかった。 ベッドが空だった。 「カズマ!?」 メグミンは慌てた。部屋を見回す。カズマはどこだ。 床に目をやった。 カズマがいた。 四つん這いになって、部屋の隅に向かって這っていた。 「お前……!」 メグミンは驚愕した。カズマが動いている。自分の力で。 カズマはハイハイをしていた。 メグミンは呆然とした。今まで、カズマは自分で動けなかった。抱かれるか、寝かされるかだった。 だが、今、カズマは這っている。 「いつの間にそんなことができるようになったんだ……」 メグミンは呟いた。カズマは部屋の隅に辿り着いた。そこに置いてあったメグミンの杖に手を伸ばす。 「待て!」 メグミンは駆け寄った。カズマは杖を掴んだ。 「それは危ない!」 メグミンは杖を取り上げた。カズマは不満そうな顔をした。 「お前、動けるようになったのか」 メグミンは尋ねた。カズマは答えなかった。当然だ。 メグミンはカズマを抱き上げた。カズマは抵抗した。暴れる。 「お前、何をする気だ」 メグミンは困惑した。カズマは床を指差した。降ろせということか。 「駄目だ。お前は大人しくベッドにいろ」 メグミンはカズマをベッドに戻した。カズマは泣き出した。 「泣くな」 メグミンは言った。だが、カズマは泣き続けた。 メグミンはため息をついた。これは大変なことになった。 *** メグミンの予想は当たった。 カズマは這い回るのをやめなかった。 メグミンが目を離すと、すぐにベッドから降りて部屋中を這い回った。 「待て!」 メグミンは追いかけた。カズマは早い。小さな身体で器用に這っていく。 カズマは窓際に辿り着いた。カーテンを掴む。 「それを引っ張るな!」 メグミンは慌てて駆け寄った。カズマはカーテンを引っ張った。カーテンが落ちそうになる。 メグミンはカズマを抱き上げた。カズマは泣いた。 「お前は何でそんなに動き回るんだ!」 メグミンは叫んだ。カズマは泣き続けた。 メグミンはカズマをベッドに戻した。カズマは泣き止まなかった。 「わかった、わかった」 メグミンは諦めた。カズマを床に降ろす。カズマはすぐに泣き止んだ。そして、また這い始めた。 メグミンは頭を抱えた。 「これは……今までとは違う大変さだ」 *** カズマは好奇心旺盛だった。 部屋にあるものすべてに興味を示した。 メグミンの靴を舐めようとした。 「汚い!」 メグミンは取り上げた。カズマは泣いた。 メグミンのマントを引っ張った。 「破れる!」 メグミンは引き離した。カズマは泣いた。 メグミンの帽子を被ろうとした。 「大きすぎる!」 メグミンは奪い取った。カズマは泣いた。 「お前は何でも触ろうとするんだ!」 メグミンは疲れ果てた。カズマは這い続けた。 カズマは机の下に潜り込んだ。メグミンは覗き込んだ。 「そこで何をしている」 カズマは何かを掴んでいた。メグミンの爆裂魔法の研究ノートだった。 「それは駄目だ!」 メグミンは慌てた。カズマはノートを開こうとしている。 「待て!」 メグミンは机の下に手を伸ばした。カズマはノートを掴んで離さない。 「離せ!」 メグミンは引っ張った。カズマも引っ張った。 ノートのページが破れそうになった。 「やめろ!」 メグミンは叫んだ。カズマは驚いて手を離した。そして、泣き出した。 メグミンはノートを確認した。破れていない。良かった。 カズマは大声で泣いていた。メグミンは罪悪感を覚えた。 「すまない……怒鳴るつもりはなかったんだ」 メグミンはカズマを抱き上げた。カズマは泣き続けた。 「これは私の大切なノートなんだ。破られたら困る」 メグミンは説明した。カズマは泣き続けた。 「わかった、わかった。もう怒らない」 メグミンはカズマを揺すった。カズマは徐々に泣き止んだ。 メグミンはため息をついた。 「お前が動けるようになると、こんなに大変なのか……」 *** 昼食の時間になった。 メグミンはカズマにミルクを飲ませた。カズマは素直に飲んだ。 「せめて、食事の時は大人しくしてくれ」 メグミンは願った。カズマは何も言わなかった。 ミルクを飲み終えると、カズマはまた這い始めた。 「お前……」 メグミンは諦めた。カズマを追いかけるしかない。 カズマはドアの方に這っていった。メグミンは慌てた。 「そっちは駄目だ!」 メグミンは駆け寄った。カズマはドアに手を伸ばした。 「外に出たいのか?」 メグミンは尋ねた。カズマはドアを叩いた。 「わかった。少しだけだぞ」 メグミンはカズマを抱き上げた。ドアを開ける。 廊下には誰もいなかった。メグミンはカズマを床に降ろした。 カズマはすぐに這い始めた。廊下を探索するように。 「待て、遠くに行くな」 メグミンは追いかけた。カズマは楽しそうに這っていく。 階段のところまで来た。カズマは階段を見下ろした。 「危ない!」 メグミンはカズマを抱き上げた。カズマは不満そうな顔をした。 「階段は危険だ。転んだらどうする」 メグミンは説明した。カズマは理解していないようだった。 「部屋に戻るぞ」 メグミンはカズマを部屋に連れ戻した。カズマは泣き出した。 「泣くな。外は危険なんだ」 メグミンは言った。だが、カズマは泣き続けた。 メグミンは頭を抱えた。これは本当に大変だ。 *** 午後になった。 メグミンは疲労困憊だった。カズマを追いかけ回すのに疲れた。 カズマは相変わらず元気だった。部屋中を這い回っている。 「お前、少しは休まないのか」 メグミンは尋ねた。カズマは答えなかった。這い続けた。 メグミンはベッドに座った。少し休もう。 カズマはメグミンの足元に這ってきた。メグミンのブーツを掴む。 「またそれか」 メグミンはため息をついた。カズマはブーツを引っ張った。 「お前は本当に何でも触るんだな」 メグミンは呟いた。カズマは楽しそうだった。 メグミンはカズマを見つめた。赤ん坊の姿だが、中身は元のカズマだ。意思疎通ができないだけで。 「お前は今、何を考えているんだ?」 メグミンは尋ねた。カズマはメグミンを見上げた。 「この状況をどう思っている? 赤ん坊になって、私に世話されて」 カズマは何も言わなかった。ただ、メグミンを見つめていた。 「お前が元に戻ったら、この一週間のことをどう思うんだろうな」 メグミンは呟いた。カズマはメグミンのブーツから手を離して、メグミンの手を掴んだ。 メグミンは驚いた。カズマの小さな手が自分の手を握っている。温かかった。 「お前……」 メグミンは言葉に詰まった。カズマはメグミンの手を握ったまま、笑った。 メグミンは胸が熱くなった。この感覚は何だ。 「お前が元に戻ったら……全て元通りになる」 メグミンは呟いた。カズマは笑い続けた。 「それでいいんだ。それが正しい」 メグミンは自分に言い聞かせた。だが、心の奥で何かが引っかかっていた。 *** 夕方になった。 カズマはようやく疲れたのか、動きが鈍くなった。メグミンは安堵した。 「やっと落ち着いたか」 メグミンはカズマを抱き上げた。カズマは抵抗しなかった。 メグミンはカズマをベッドに寝かせた。カズマは目を閉じた。眠るのか。 「今のうちに夕食の準備をしよう」 メグミンは立ち上がった。だが、カズマがメグミンの服を掴んだ。 「何だ?」 メグミンは振り返った。カズマは目を開けていた。離すなという意味か。 「わかった。少し待て」 メグミンはカズマを抱き上げた。カズマは満足そうな顔をした。 「お前は甘えん坊だな」 メグミンは呟いた。カズマは何も言わなかった。 メグミンはカズマを抱いたまま、夕食の準備を始めた。片手では難しい。だが、カズマが離れようとしない。 「お前のせいで料理ができないじゃないか」 メグミンは文句を言った。カズマはメグミンの服を掴んだまま離さなかった。 メグミンは諦めた。片手で料理をするしかない。 簡単なスープを作った。パンを温めた。カズマは大人しくしていた。 「せめて、料理の時は大人しくしてくれ」 メグミンは言った。カズマは何も言わなかった。 夕食ができた。メグミンはカズマをベッドに寝かせた。今度はカズマは抵抗しなかった。 メグミンは一人で夕食を食べた。カズマは静かに眠っていた。 「今日は本当に疲れた」 メグミンは呟いた。だが、カズマは無事だ。それが一番大切だ。 メグミンは食事を終えた。皿を片付ける。カズマはまだ眠っていた。 メグミンは窓の外を見た。夕日が沈んでいく。一日が終わる。 「あと数日でお前は元に戻る」 メグミンは呟いた。カズマは眠り続けていた。 「そうしたら、この奇妙な生活も終わりだ」 メグミンは言った。だが、心の奥で寂しさを感じた。なぜだ。 メグミンは首を振った。余計なことを考えるな。 *** 夜になった。 メグミンはカズマの隣に横になった。カズマはまだ眠っていた。 メグミンはカズマを見つめた。穏やかな寝顔だった。 「お前が動けるようになって、今日は大変だった」 メグミンは呟いた。カズマは眠り続けた。 「でも……お前が元気になって良かった」 メグミンは認めた。カズマの手を握る。小さくて、温かい。 「あと数日だ。お前は元に戻る」 メグミンは言った。カズマは何も言わなかった。 「そうしたら、お前はまた私をからかうんだろうな」 メグミンは苦笑した。カズマはいつもメグミンをからかう。爆裂魔法のことや、貧乏なことや、様々なことで。 「それでいい。それが普通だ」 メグミンは言った。だが、心の奥で何かが引っかかっていた。 メグミンはカズマを抱きしめた。カズマは眠ったまま、メグミンの服を掴んだ。 「動けるようになるとこんなに大変なのか」 メグミンは呟いた。疲労が襲ってきた。目が重い。 メグミンは目を閉じた。カズマの温かさが心地よかった。 「おやすみ、カズマ」 メグミンは呟いた。
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8: 言葉の兆し
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