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赤ちゃんになった俺を世話するメグミンがやたらと色っぽい件について
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1: 災難の始まり
2: 初めての外出
3: 爆裂魔法への執着
4: 紅魔族の少女
5: 熱
6: 回復と新たな日常
7: 外出の試練
8: 言葉の兆し
9: 薬草採取の決意
10: 下見と月光草
11: 秘密の隠し場所
12: 迷子のカズマ
13: 優しい温もり
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## Chapter 13: 優しい温もり 宿の女将に抱きかかえられたカズマを見つけたメグミンは、安堵から涙が止まらなかった。まさか、こんな近くにいたなんて。 「カズマ! 本当に、ごめんなさい! 心配かけたわね!」 メグミンは女将に深々と頭を下げた。 「本当に、ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました」 女将は優しく微笑み、メグミンの肩に手を置いた。 「いいえ、気にしないで。元気な赤ちゃんね。少しの間、私に抱かせてあげて」 女将はそう言うと、カズマを మరింతしっかりと抱きしめた。メグミンは一瞬戸惑った。なぜ、女将がそこまでカズマを抱きたがるのだろうか。しかし、女将の優しい表情を見て、拒否することができなかった。 「…はい、構いませんけど…」 メグミンは少し遠慮がちに答えた。女将は嬉しそうに微笑み、カズマに優しく話しかけた。 「あらあら、可愛いお顔ね。おばあちゃんが、いっぱい可愛がってあげるわよ」 女将はカズマをあやし始めた。優しく揺らしたり、歌を歌ったり。カズマも女将のことが気に入ったのか、ニコニコと笑いかけている。メグミンは、その様子を複雑な気持ちで見つめていた。 (女将さん、まるで本当のおばあちゃんみたい…) 女将はカズマを抱きながら、宿の厨房へと向かった。 「ちょっとミルクを温めてくるわね。この子は、お腹が空いているんじゃないかしら」 メグミンは慌てて後を追った。 「あ、私がやります! ミルクなら、ちゃんと用意してありますから」 しかし、女将はメグミンを制した。 「いいのよ、いいのよ。少しだけ、私にさせて。久しぶりに、赤ちゃんの世話をしたくなったの」 女将はそう言うと、手慣れた様子でミルクを温め始めた。メグミンは、ただ見ていることしかできない。 (…なんだか、私よりもずっと手際がいい…) ミルクの準備ができると、女将はカズマにミルクをあげ始めた。カズマは美味しそうにミルクを飲み、あっという間に飲み干してしまった。 「ほら、やっぱりお腹が空いていたのね。良い飲みっぷりだこと」 女将は満足そうに微笑んだ。メグミンは、少しだけ嫉妬心を覚えていた。 (…私が、もっとちゃんとカズマの世話をしていれば…) カズマはミルクを飲み終えると、女将の腕の中で眠ってしまった。女将は、その寝顔を優しく見つめていた。 「本当に、可愛い子ね。見ていると、昔のことを思い出すわ」 メグミンは、女将に尋ねた。 「昔のこと、ですか?」 女将は少し寂しそうな表情で答えた。 「ええ。私にも、昔は子供がいたの。でも、もうずっと前に亡くなってしまって…」 メグミンは、言葉を失った。女将にも、辛い過去があったのだ。 「…そうだったんですね…」 女将は、悲しみを押し殺すように微笑んだ。 「この子を見ていると、その子のことを思い出すの。だから、少しの間だけでも、抱かせてほしかったのよ」 メグミンは、女将の気持ちが痛いほど分かった。だからこそ、何も言えなかった。 しばらくの間、女将はカズマを抱きながら、静かに昔話を語ってくれた。メグミンは、それをただ静かに聞いていた。 女将の話は、自身の子供との思い出、子育ての苦労、そして、子供を亡くした悲しみについてだった。メグミンは、女将の言葉に深く共感し、涙が止まらなかった。 (…私も、いつかこんな風になるのかな…) メグミンは、カズマへの愛情を改めて感じた。同時に、母親としての責任感も強く感じた。 どれくらいの時間が経っただろうか。女将は、満足したように微笑んだ。 「さて、そろそろこの子を返してあげないとね。いつまでも、私だけのものにはできないわ」 女将は、名残惜しそうにカズマをメグミンに差し出した。 「ほら、メグミンさん。あなたの可愛い赤ちゃんよ」 メグミンは、両手でカズマを受け取った。カズマは、まだ眠っている。その寝顔は、天使のように無邪気だった。 「ありがとうございます、女将さん。本当に、感謝しています」 メグミンは、改めて女将に頭を下げた。 女将は、メグミンの目をまっすぐ見つめた。 「メグミンさん。あなたは、本当に良いお母さんになるわね」 メグミンは、その言葉にハッとした。 「…お母さん、ですか…?」 女将は、優しく微笑んだ。 「ええ。この子に対するあなたの愛情を見ていると、そう思うわ。あなたは、きっとこの子を幸せにできる」 メグミンは、顔を赤らめた。 「…そ、そんなこと…」 女将は、メグミンの背中をそっと押した。 「自信を持ちなさい。あなたは、立派なお母さんよ」 メグミンは、女将の言葉に勇気づけられた。 「…はい! ありがとうございます!」 メグミンは、カズマを抱きしめ、自分の部屋へと戻った。 部屋に戻ると、メグミンはベッドに腰を下ろした。カズマは、まだ眠っている。メグミンは、その寝顔をじっと見つめていた。 (…私が、カズマのお母さん…) メグミンは、まだ実感が湧かなかった。しかし、女将の言葉を思い出すと、胸が熱くなった。 (…そうだ。私は、カズマを守らなければ…) メグミンは、カズマへの愛情を改めて感じた。同時に、母親としての責任感も強く感じた。 (…明日は、必ず月光草で解毒薬を作るんだ…) メグミンは、心に誓った。カズマを、元の姿に戻してあげなければ。そして、カズマがいつまでも幸せでいられるように、私が守ってあげなければ。 メグミンは、カズマをそっと抱きしめた。 「カズマ、大好きだよ」 その言葉は、カズマに届いたかどうか分からない。しかし、メグミンの心からの叫びだった。 メグミンは、カズマを抱きしめたまま、月光草を手に取り、静かに見つめ た。その瞬間、メグミンの体から力が抜け、ベッドに倒れ込んでしまった。 「…っ、疲れた…」 メグミンは、天井を見上げながら、そう呟いた。カズマの世話は、想像以上に大変だった。特に、熱を出した時は、本当に辛かった。 (…でも、それももうすぐ終わるんだ…) メグミンは、そう思うと、少し寂しい気持ちになった。カズマが元の姿に戻ってしまうのは、嬉しいことのはずなのに、なぜか心が痛んだ。 (…もしかして、私は…) メグミンは、自分の気持ちに気づき始めた。カズマのことを、ただの仲間としてではなく、それ以上の存在として見ているのかもしれない。 (…そんなこと、ありえない…) メグミンは、必死に否定した。カズマは、ただのスケベで、怠惰な男だ。そんな男のことを好きになるはずがない。 しかし、カズマの笑顔を思い出すと、胸がドキドキしてしまう。あの無邪気な笑顔、あの甘えん坊な仕草、全てが愛おしくてたまらない。 (…どうしよう…) メグミンは、自分の気持ちに戸惑っていた。この気持ちを、カズマに伝えるべきなのだろうか。それとも、このまま胸にしまっておくべきなのだろうか。 (…今は、まだ考えられない…) メグミンは、そう結論付けた。まずは、カズマを元の姿に戻すことが先決だ。自分の気持ちは、その後でゆっくり考えればいい。 メグミンは、月光草を手に取り、深呼吸をした。そして、解毒薬の調合に取り掛かった。 今回は、絶対に失敗しない。カズマのためにも、自分のためにも、必ず成功させる。 メグミンは、ウィズに教わった手順を思い出しながら、慎重に薬草を刻み始めた。お湯を沸かす際も、手が震えることはなかった。 (…落ち着いて、落ち着いて…) メグミンは、自分に言い聞かせながら、作業を進めていった。 数時間後、メグミンは、ついに解毒薬を完成させた。 「…できた…!」 メグミンは、達成感に満ち溢れていた。これで、カズマを元の姿に戻すことができる。 メグミンは、カズマを優しく起こした。 「カズマ、起きて。薬ができたわ」 カズマは、眠たげな目を擦りながら、メグミンを見つめた。 「あー、あー」 メグミンは、カズマに解毒薬を飲ませようとした。しかし、カズマは嫌がって、なかなか飲もうとしない。 「カズマ、これは薬だよ。これを飲めば、元の姿に戻れるんだ」 メグミンは、優しく言い聞かせた。カズマは、メグミンの言葉を理解したのか、おとなしく薬を飲み始めた。 薬を飲み終えると、カズマは少し苦しそうな表情を浮かべた。 「…うっ…」 メグミンは、心配そうにカズマを見つめた。 「大丈夫?どこか痛い?」 カズマは、首を横に振った。そして、メグミンの顔をじっと見つめた。 その瞬間、カズマの体から光が放たれた。 「…え…?」 メグミンは、目を丸くした。光が収まると、そこには、赤ん坊の姿ではなく、元のカズマの姿があった。 「…カズマ…!」 メグミンは、思わずカズマの名前を呼んだ。カズマは、ゆっくりと目を開け、メグミンを見つめた。 「…メグミン…?俺は…」 カズマは、自分の体に触れ、驚いた表情を浮かべた。 「…元に戻ったのか…?」 メグミンは、嬉しさのあまり、涙が溢れてきた。 「…うん、カズマが元に戻ったんだ…!本当に、よかった…!」 メグミンは、カズマに抱きつこうとした。しかし、カズマはそれを避けた。 「…ちょ、ちょっと待てよ。一体何があったんだ?俺は、一体何日間寝ていたんだ?」 カズマは、混乱した様子で、メグミンに質問した。 メグミンは、カズマに全てを説明した。若返りの薬を飲んでしまったこと、赤ん坊になってしまったこと、そして、メグミンが一生懸命世話をしてくれたこと。 カズマは、メグミンの話を聞き終えると、呆然とした表情を浮かべた。 「…マジかよ…俺が、赤ん坊に…?しかも、メグミンに世話をされてたってのか…?」 メグミンは、顔を赤らめた。 「…そ、そうよ。でも、カズマは何も覚えてないんでしょ?」 カズマは、少し考え込んだ。 「…いや、なんとなく覚えてるような…おっぱい飲んだり、オムツ替えられたり…」 メグミンの顔は、さらに赤くなった。 「…もう、その話はやめて…!」 カズマは、ニヤニヤしながら、メグミンを見つめた。 「…ふーん、そうか。つまり、俺はメグミンに、色々とお世話になったってわけだな」 メグミンは、むっとして、そっぽを向いた。 「…別に、大したことないわよ。ただ、カズマが困っていたから、助けてあげただけだもん」 カズマは、メグミンの肩に手を置いた。 「…ありがとう、メグミン。本当に感謝してる」 メグミンは、ドキドキしながら、カズマを見つめた。 「…どういたしまして…」 カズマは、メグミンの顔をじっと見つめた。そして、優しく微笑んだ。 「…あのさ、メグミン」 「…な、なに…?」 「…その、なんだ…」 カズマは、少し照れながら、言葉を続けた。 「…その間、色々、迷惑かけたよな。だから、何かお礼をしたいんだけど…」 メグミンは、期待に胸を膨らませた。 (…もしかして、告白される…?) しかし、カズマの言葉は、メグミンの期待を裏切るものだった。 「…何か、欲しい物とかあるか?例えば、新しい杖とか…」 メグミンは、がっかりした。 「…べ、別に、何も欲しくないわよ…」 カズマは、首を傾げた。 「…そうか?でも、何かお礼をしないと気が済まないんだ。遠慮しないで言ってくれよ」 メグミンは、少し考え込んだ。そして、意を決して、カズマに言った。 「…じゃあ、お願いがあるんだけど…」 カズマは、嬉しそうな表情を浮かべた。 「…なんだ?言ってくれよ」 メグミンは、少し恥ずかしそうに、カズマに告げた。 「…その…しばらくの間、私のことを名前で呼んで…」 カズマは、目を丸くした。 「…え?名前で?メグミンのことを?」 メグミンは、顔を赤らめたまま、頷いた。 「…だ、ダメ…?」 カズマは、少し考え込んだ。そして、ニヤリと笑った。 「…いいぜ。でも、それだけじゃ割に合わないな。何か、見返りが欲しいんだけど…」 メグミンは、カズマの言葉に戸惑った。 「…み、見返り…?」 カズマは、メグミンの耳元で、囁いた。 「…例えば、メグミンからのキスとか…」 メグミンの顔は、一気に真っ赤になった。 「…ば、ばか…!そんなこと、できるわけないでしょ…!」 カズマは、笑いながら、メグミンをからかった。 「…冗談だよ、冗談。そんなに怒るなって」 メグミンは、カズマを睨みつけた。 「…もう、カズマなんか大嫌い…!」 そう言い残して、メグミンは部屋を飛び出して行った。 カズマは、一人残された部屋で、笑い転げていた。 「…あー、面白かった…」 カズマは、メグミンのことを、ますます好きになっていた。
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